
高いがけの上に、下見板張の建物が現れました。
この建物は、旧中西進別荘(ブルーミング中西葉山寮)です。

アプローチを登ると、手前の小さな建物が浴室。
奥に母屋があります。

浴室入口のツタ

浴室は、トップライトと、屋内に小さな屋根型がついています。
見たことのない感じの、凝ったつくりですね。

この建物、いろんなところがちょっとずつ変わっています。
<変わった点>を列挙してみますと、
やけに高い擁壁。
屋外にある風呂。
1,2階ともにアプローチが設けられている。
1階玄関は、浴室ウラの見えにくい位置にへんな横を向いた感じについている。
1階は、なんか普通の住宅っぽい地味な作り。
それにくらべて、ゴージャスで大きなスペースの2階(とゴージャスな浴室。)
1,2階をつなぐ階段は、細くて急、玄関からも遠い位置。

次に、建てられた当時のエピソードをみてみると、、
ブルーミング中西(というハンカチをつくっている会社)の2代目が、昭和6,7年あたりに、若い3代目のために建てたらしい。そして、2階にある洋館風の大きな部屋は、ビリヤード室だったらしい。

ということをロケーションと建物の形と重ね合わせると、、、謎が解けてきます。
2代目は、ビリヤード室(と休憩室、ちょっと汗を流せる浴室)がついたサロンがほしかった。そしてビリヤード室からは、葉山の海をぜひ見せたい。
擁壁を高くし、さらに建物の2階にビリヤード室設けることで、海へのビスタを確保。下の階、1階は、何もつくらないわけにはいかないので、、3代目の為のスペースにして提供する。ビリヤードをする人は、屋外から直接2階に入り、外にある浴室で汗を流す。。。
1階は、入口が出来るだけ目立たないように、浴室の裏手に曲げて玄関を設け、内部もシンプルに、つくる。1,2階をつなぐ階段も最低限でよい。
という推理が成り立ちます。

興味のあるところ、ビリヤード室などは、徹底的につくられているのに、他の部分は、まったくどうでもよかったり。。。ここは1つの建物なのに力の入れ方にものすごい差がある点に、人の意志を感じますね、2代目は、集中と一点突破、ものすごくメリハリの利いた経営をする人だったのかもしれません。
【Hide More】